狂四郎2030

久しぶりに一気に完結漫画を読みましたよ。
それが『狂四郎2030』。


2030年。20世紀も四半世紀が過ぎた頃。
第3次世界大戦が終わり、日本は新しい局面にさしかかっていた…。


まず、世界観がもの凄いのです、この漫画。
第3次世界大戦でアメリカと中国はなくなり、日本は途中でアメリカを裏切って防衛に専念。
なんとか守り切ったが結果として全世界の8割の人間は死に絶えた。
新しい時代を担ったのが「ゲノム党」という政党だった。


…ゲノム党は画期的な政策を繰り広げる。
それが、「男女別離政策」である。
完全に男女を別離させ、農作業に勤しませる…そういう政策であった。
そして全国民にはバーチャルなセックスを楽しめる、バーチャマシンが与えられた…。


というのが設定です。まずこれは設定勝ちと言っても良いでしょう。
そして鍵を握るのがM型遺伝子理論。
これは性格が遺伝子に寄って決められているとする理論です。
国家に反逆するような性格を持つ、とされるM型遺伝子を持っている人間を
社会的に差別するという現状を産んだのです。


そのM型遺伝子理論の被害者ともいえる、兵隊として生きていくしかなかった主人公、狂四郎が
バーチャマシン上で出会った志乃に会いに行く、というのがこの話の本筋となります。

……いや〜設定マジなげえなw
徳弘の描く漫画は基本下ネタが多いんですが、これは青年誌に連載されただけあって下ネタ万歳みたいな勢いでしたよw
男女が完全に別離されている2030年の日本で男性が女性に会いに行く、というだけでかなりの危険がつきまといます。
途中マジでヤバイ敵に何度も殺されかけながらも狂四郎は確実に志乃に近づいていくのです。


徳弘漫画は緊張感と、下ネタによってたまにフッと緊張がゆるむ、そこが面白いし、心地良いと思うんですな。
そんな「らしさ」がよく出た漫画だと思います、「狂四郎」は。


昔「ターちゃん」が好きだった人は是非読むべし。

狂四郎2030 1 (ジャンプコミックスデラックス)

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