DDD1
ファウストという「奈須作品に慣れた人たち」ばかりが読む訳じゃない雑誌に連載していたせいか、同人作品だった『空の境界』よりもはるかに読みやすい。といっても、やっぱり奈須作品が人を選ぶ、という性質は少なからずあるんだけど。
- 作者: 奈須きのこ,こやまひろかず
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/01/10
- メディア: 単行本
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・設定が特殊
・悪魔とか吸血鬼とかそういう系が多い(つまり、そういう系が駄目な人は読みづらい)
・表現が特殊
の2点くらいかなーパッと思いつくのは。
表現が簡明な前回レビューした伊坂作品とは対照的だわな。
しかし今回はそういった「読みにくさ」が大分緩和されてて良かった。
そうそう、これはまったくの余談になるんだけど、『DDD1』という作品は意外にも医学部向けかもしれない。
なんたって「悪魔憑き」というのは正式名称「アゴニスト異常症」だよ?(w
まさに薬理学。まさか奈須の小説でアゴニストがレセプターに結合して…とかいう文面を見ることになろうとは思わなかったw そんなこんなで、受容体機能の増強、といえば最近薬理で習ったなーとか、奈須もこれは実在の病気をモデルにしてるんだろうな、とか無駄なことを考えつつ読めます。
ストーリー自体は、異常な主人公が悪魔払い(=悪魔憑きにかかった人たちを排除する)をする、ていうのが根幹にあるお話。何回も騙されるところがあって、どんでん返し系の驚きを味わいたい人にはうってつけなんじゃないかな。