キッチン

「私がこの世で一番好きな場所は台所だと思う。」


一日〜二日かけて読了。よしもとばななの作品を読むのはこれが初めてかな。
まさにどっかで読んだ書評「少女漫画を小説にしたよう」というのがぴったり当てはまる。
女性受けするだろうなあ、というのが最初の感想。


ただ、扱っているテーマは『ノルウェイの森』に似ている。
いわば「大切な人との別れ」だ。収録されている「ムーンライト・シャドウ」も同様。

キッチン (角川文庫)

キッチン (角川文庫)

表題作『キッチン』は、描写もシンプルで、まさに素朴な日常の中にあるやさしさを描いた、という感じである。
少女漫画的な心の機微をいまいち面白いと思えない俺としては、そこまで感情移入できなかったが、それでも読後感はふわっとしていて心地よい。やさしい気持ちにさせてくれる小説である。