記憶力を強くする

稀代のサイエンスライター池谷裕二の処女作。『海馬 脳は疲れない』はすでに読んだことはあったが、それに続いてこの著者の作品は2作目となる。本屋でパラパラ見ていたら読みたくなってしまった。


この本のエッセンスは以下。
神経細胞は増殖しないが、歯状回にある顆粒細胞は増殖する(←これがタクシー運転手のずば抜けた記憶力を支えている)
・記憶というのは歯状回から入力され、CA1野→CA3野→海馬支脚を通って側頭葉に蓄えられる。
・「記憶する」ということはすなわち神経細胞シナプスが可塑性を起こすことである。
・記憶の単位はLTP(long terminal potentiation)である。
・受容器電位と活動電位は異なる。

という感じか。受容器電位と活動電位の違いとかは、一回神経科学でやったなあ、と思ったけれど、忘れかけていたので良い復習になりましたよ。LTPも神経科学でやったと思うんだけど微妙な理解だったのでいまいち頭に入ってなかった。てか神経解剖をやった当時「記憶ってどこに蓄えられるん?」というのが素朴な疑問だったのですが、側頭葉だったかー。まあ俺の知識が疑われますねw ま、もう一回くらい読んでさらに知識を整理したいところですな。